1月28日、三菱総研は共同で日本版CCRCの実現を目指す政策提言を発表した。

"CCRC #1"

CCRCとはなにか?

政策提言から引用しよう。

※CCRC(Continuing Care Retirement Community):健康な時から介護時まで移転することなく安心して暮らし続けることが出来る米国のシニアコミュニティ。全米で約2千ヵ所、約60万人の居住者、約3兆円の市場規模。「日本版CCRC」は、CCRCを日本の国民性・地域性・制度に適合させ、普及を目指すモデル。

言うなれば、高齢者が、元気なうちから老いを過ごす新しい場所に住み、自らも働きながら小さな経済圏とコミュニティに参加することである。

"CCRC #2"

まず団塊世代の富裕層向けか

団塊世代660万人の1%の約7万人が1千万円を消費すれば約7千億円の市場が創出される。

この一節を読むとこの政策提言は、日本版CCRC構想は、まず団塊世代の富裕層を念頭に置いていると考えられ、今後このコミュニティに参加できない都市部に残された大多数の裕福層以外の高齢者向け提言も考えていかなければならない。都市のコンパクト化など後ろ向きな提言は多々あるが、今回の政策提言は高齢化社会を前向きに考えた提言で夢があり建設的でもある。

国内の取り組み

現在、国内では15の日本版CCRCに関連した取り組みがある。

"CCRC #3"

CCRCは指輪物語のホビット庄

今回の政策提言を読み、指輪物語(映画「ロード・オブ・ザ・リング」の冒険者、ビルボ・バギンズを思い出した。

長い冒険から帰ってきたビルボは魔法の指輪を持ち帰り、その効力のおかげで長生きをし、長寿のビルボはホビット庄(種族の村)では、若者に長い冒険の経験を語り、時に詩を作りながら尊敬され生きてきた。

日本版CCRCは、指輪物語に出てくるホビット庄のようなイメージではないかと考えた。

ただその後、元来、知的好奇心の旺盛なビルボは長寿の源であった魔法の指輪を甥にゆずり、旅に出て、別な地におちつき詩作と著述の生活を送ったのであるが。

日本版CCRCの実現を目指す政策提言を発表~健康で元気で輝き続けるコミュニティ実現のためにオール・ジャパンの25政策~