誤嚥性肺炎の予防が目的、水を使わない高齢者向け口腔ケア用ジェルが登場
日本歯科薬品株式会社は、国立研究開発法人 国立長寿医療研究センターと共同で、要介護高齢者の口腔ケアに適した特性を追求し開発した口腔ケア用ジェル「お口を洗うジェル」を、2015年7月3日(金)に全国発売すると発表しました。
口腔ケアの目的
高齢社会になるとともに介護が必要な高齢者に対する「口腔ケア」の重要性が注目を浴びています。
口腔ケアには「口腔内を清潔に保つこと」と「口腔機能を維持・向上すること」といった二つの目的があり、継続的な口腔ケアを行うことで、高齢者の主要な死亡原因となっている肺炎を予防できることが報告され、多くの医療機関や施設等で口腔ケアが実施されています。
過去の日本訪問歯科協会の調査では、「介護者が日常的な口腔ケアを毎日行い、歯科医師等が週1、2回の専門的な口腔ケアを実施したグループは、しなかったグループと比べ肺炎の発症率が39%、死亡率は約53%低かった」ともされていますので、高齢者のQOL(Quality of Life)の維持向上や全身疾患の改善、健康増進に向けた医療の一環としても注目されるようになってきています。
「お口を洗うジェル」開発の背景
口腔ケアには一般的に水が使われますが、うがいや吐き出すことがうまくできない要介護高齢者では、口腔ケアで使用した水を誤嚥してしまい、誤嚥性肺炎の発症リスクを高める恐れがあると言われています。
そのような事態を防ぐために、水の代わりに誤嚥しにくいジェルで口腔ケアを行うことを目指し、開発されたのが「お口を洗うジェル」です。
口腔ケアを行うことで肺炎の発症リスクを低下できても、その口腔ケアを行うことにより誤嚥性肺炎を引き起こしていては本末転倒ですので、こういった商品は今後普及していくのではないでしょうか。