佐賀県多久市とヤマト運輸佐賀主管支店は17日、地域の高齢者見守り活動に関する協定を締結しました。

クロネコヤマトの宅配業務中に高齢者の異変に気付いた際、配達員が早急に行政や医療機関に連絡する体制を構築し、「住民の異変に気付いたときは、(配送業務関係の)プライバシーを含まない情報を市に提供する」といった5項目で協力する予定となっています。

"kuroneko"

広がる自治体と配送業者の取り組み

ヤマト運輸は既に他の自治体とも高齢者見守りに関する取り組みを行っており、次のようなサービスを展開しています。

高知県長岡郡大豊町では、スーパーまでの距離が離れていたり体が弱く外出が難しく買い物に出かけることができない「買い物困難者」向けに、地域の商店と連携して高齢者が注文した商品をヤマト運輸が自宅に届け、商品宅配時にドライバーが高齢者の状況をチェックし異常があれば役場などに連絡するといった、買い物支援と連携した見守りサービスを提供しています。

また青森県黒石市では、独居高齢者向けの情報誌を市が定期的に発行し、その情報誌をヤマト運輸が配達することで、配達時にドライバーが高齢者の状況を確認し異常があれば市に連絡するといった独居高齢者宅の定期訪問サービスも展開しています。

多久市は郵便局とも見守り関する協定を締結済み

多久市は7月にも、郵便配達などで毎日地域住民と顔を合わせる郵便局員の利点を生かし、市内外の4便局と地域の見守り活動に関する協定を結んでいます。

多久市の65歳以上の人口は平成27年6月1日現在で6,261人となっており、全人口比の約3割にあたります。このうち独居老人は844人で、旧炭鉱住宅の居住が目立っている状況です。

地域のネットワークだけでは高齢者の異変に気付くことに限界があるため、こういった郵便・配送業者との協定を複数締結して進めていますが、今後は同様の取り組みが、日本中の地域でも増えていくものと考えられています。


引用

多久市とヤマト運輸佐賀支店 高齢者見守りで協定

郵便配達で高齢者見守り 多久市、3局と活動協定

「クロネコヤマト」が見守りサービス大手になる日