過去にケアタイムズ新聞でも紹介しましたが、2015年6月4日〜7月31日に秋田県酒田市八幡地域で行われていた、小型の電波発信端末と受信機、公衆無線LANなどを組み合わせた地域見守りシステム「さかた見守りくん」の実証実験の結果が公表されました。

認知症の高齢者徘徊防止に一定の効果はあるものの、実用化に向けての課題も指摘されています。

"sakata"

システムは安定して動作、装置の普及と製造コストが課題

今回の実証実験では、対象の期間に50~70歳代の男女計12人とその家族らが協力して行われました。

地域の商店や介護施設など11か所の公衆無線LAN装置を受信機として使用し、実験の結果システムは正常に参加者が通過したことを検知しました。

一方で、今回の実施実験ではNTT東日本の協力により11か所に無線LANの受信機を設置することができましたが、商用化を見据えると、受信機の月額1,500円という利用料が設置場所への重荷になります。

また、発信機のコストも従来のGPS製品よりは安価なものの、約5,000円という製造コストが課題とも、今回の報告内で指摘されました。

しかしながら、過去にケアタイムズ新聞が鶴岡高専に取材を行った際には、「評判が良かったら、実証実験終わりですって簡単には止められないですよね」と力強く語られていましたので、今後も「さかた見守りくん」から目が離せません。

ケアタイムズ新聞 - 認知症による徘徊の不明者防止へ、酒田市で「さかた見守りくん」の実証実験

ケアタイムズ新聞 - 取材記事:鶴岡高専の協力で生まれた認知症徘徊防止サービス

引用

「ネットで高齢者見守り」効果…酒田で実証実験