中国国際放送局は25日、中国の首都北京の高齢者人口が300万人を突破したと報道した。

報道によると北京市の人口は2151万人。高齢者300万人のうち老人ホームなどの施設で介護を受ける高齢者は4%とのこと。

なお、JETROの2013年公開の高齢者産業報告書によると中国の高齢者は60歳以上をしめすとのこと。

高齢者や高齢化社会の定義について、日本等の諸外国は高齢者を 65 歳以上としているが、 中国では「花甲」(還暦)という伝統的な考え方や定年退職年齢(男性は 60 歳)などの実 情に基づき、政府は統計や文書の中で 60 歳以上を基準としている。

今こそ求められる枯れた技術の水平思考

参考までに東京都の60歳以上人口は375万人(総務省統計局、2013年10月末現在)。日本だけでなく、高齢化社会は世界中で進み、介護する者の待遇も含め更にセンサーやノウハウなどを使った合理的な介護のしくみが世界中で開発されるのではないかと考える。

亡くなった任天堂のデザイナー横井軍平氏は生前、「枯れた技術の水平思考」という言葉を使って、高価な先端技術ではなく既に広く使用されている技術を別な使い道で考えるのが重要と語っていた。 いま、介護向けベンチャー企業はパワードスーツや人工知能を駆使したロボットなど高額な先端技術を使った製品やサービスを色々と考えている。
ただ、介護業界の現場では必ずしもITリテラシー(理解度)の高い人達ばかりではない。

もっと安価で介護する側も先端知識がなくとも使える介護ツールの開発が、結果的に世界中の介護の現場で使われることにつながるのではないかと考える。

中国国際放送局オンライン 北京の高齢者人口、300万人を上回る

JETRO 中国高齢者産業調査報告書