ソニーと川崎市、お薬手帳の電子化に向けて試験サービス実施へ
ソニーと、神奈川県川崎市及び川崎市薬剤師会は、非接触ICカード技術FeliCa™(フェリカ)を利用した電子お薬手帳サービスharmo®(ハルモ)の試験サービスに関する協定を締結しました。
2013年11月にソニーと川崎市では、2015年3月末まで川崎市全域で運用を開始した本試験サービスを円滑に導入することを目的に協定を締結しており、市民によるharmoの有効利用を目指した施策を展開してきました。
その結果、試験サービスの導入が順調に進み利用者や薬局から多くの知見を得ることが出来た為、さらなる利用者、薬局の拡大および将来の多様なサービスへの円滑な移行を目的として、2015年度も継続して試験サービスを実施する協定を締結しました。
お薬手帳の電子化とその先へ
harmo®(ハルモ)とは、薬局等で調剤された薬の履歴等に関するデータを、FeliCa※チップが埋め込まれたカードを用いてクラウド上で電子的に管理するソニーの電子お薬手帳に関するサービスです。
専用のカードを薬局の端末にかざすだけの簡単な操作で、調剤履歴の閲覧と調剤情報の記録を行うことができます。
さらに単純に記録するだけでなく、利用者がスマートフォンで入力した副作用、アレルギーなどに関する情報も一元的に把握することができるため、薬剤師は利用者の状況をより的確に把握できるようになり、「リスクコミュニケーション」の促進にもつながります。
また、データをクラウド上に保管することで家族間でも情報を共有できるため、スマートフォンを利用して離れて暮らす高齢者の服薬状況を見守ったりと、家族がサポートすることにより薬を正しく服用する「服薬アドヒアランス」の向上を目指します。
※FeliCa:ソニーが開発した非接触ICカード技術。かざすだけでデータの送受信が可能で、交通機関のIC乗車券(Suicaなど)や、電子マネー(Edyなど)などに幅広く利用されている。
電子お薬手帳の普及へ
厚生労働省は、「2015年度までに電子お薬手帳を30%以上の薬局で提供する」という目標を掲げています。
harmoの取り組みも、2015年3月からは、滋賀県薬剤師会、神戸市薬剤師会、豊中市薬剤師会と連携し、新たに滋賀県、兵庫県神戸市、大阪府豊中市内の薬局に対する試験サービスの提供を開始しています。
現状は電子お薬手帳専用のカードが必要ですが、将来的にスマートフォンとharmoカードが一体化すれば、さらに便利なサービスとなり普及が加速するのでないでしょうか。