トヨタ自動車は、障がい者や高齢者の家庭内での自立生活をアシストする生活支援ロボット(以下、HSR)の早期実用化を目指し、複数の研究機関等と連携して技術開発を推進する仕組みである「HSR開発コミュニティ」を発足すると発表しました。

「HSR開発コミュニティ」に加盟する研究機関等には、トヨタが開発した新型HSRを研究用として貸与することも発表しています。

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HSRとは

HSRとは、音声認識やタブレット端末で操作が行える生活支援ロボットで、小回りの利く円筒型の小型・軽量ボディに格納できるアームを備えることにより、「床の上の物を掴んで拾う」「薄い物を吸引して拾う」「棚、机の上、高い所から物を取ってくる」「カーテンを開ける」などの仕事ができるようになっています。

2012年9月のHSR発表以降、障がい者や介護福祉関係者等の評価を踏まえて改良を重ねてきており、今回研究用として貸与を開始する新型HSRは、機能面や安全面、研究開発や実証実験における運用性等をさらに向上させています。

モノづくりの王者トヨタがロボットに本腰を入れる

今回の「HSR開発コミュニティ」発足により、トヨタは研究開発の成果を検証する実証実験の協力先を紹介するなど加盟機関による実証実験の推進を支援し、加盟機関はソフトウェアやノウハウといった研究開発の成果をコミュニティ内で共有し、加盟機関が利用できるようにするとしています。

トヨタが外部企業とノウハウや知識を共有し、また生活支援ロボット研究開発の共通プラットフォームとしてHSRを利用できるように開放することは、ロボット業界に本格参入する意思や意気込みを感じます。

介護・生活支援ロボット関連ではベンチャー企業の活躍が目立っていますが、今回のコミュニティ発足により外部の技術者やユーザーを巻き込みながら開発する体制を整えることで、早期実用化への動きを加速させるのではないでしょうか。

トヨタ自動車、生活支援ロボットの実用化に向けて研究機関等と技術開発を推進するコミュニティを発足