エムスリードクターサポート株式会社は、在宅医療の情報や全国のクリニックを検索できるウェブサイト「いしくる」を8月1日に開始すると発表しました。エムスリードクターサポート株式会社は、医療系営業支援ツールを提供するエムスリー株式会社の子会社として2014年8月に設立された会社です。

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東京都内で在宅医療マップを配布

「いしくる」は全国3,600の診療所(クリニック)情報を希望エリアや希望する処置ごとに検索できたり、ケアマネージャー向け情報を提供します。全国には約9万の診療所(クリニック)がありますので約4%をカバーする予定で、同時にケアマネージャーや患者の家族に知ってもらう為、地域の在宅医療マップを東京都内で15万部配布する計画とのことです。

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来年4月の訪問専門診療所解禁から本格的な競争か

在宅医療には、おらかじめ作成した診療計画をもとに定期的に診療をおこなう訪問診療と患者さんや家族の要請で処置に伺う往診があります。

内閣官房の推計によると、2025年には日本中の病院、診察所で約17万床が不足するとのことで、来年4月をめどに厚生労働省は外来患者に対応する診察室や医療機器がなくても訪問専用の診療所開設をみとめる方向であるとも報道されています。 (7月10日の日経新聞朝刊一面「訪問専門の診療所解禁」記事)

病院選びに食べログ化が進むか

飲食店を探す際にお客さんの評判口コミが掲載されている食べログというサービスがあります。病院の食べログ的サービスはいくつか存在していますが多くの人が利用するまでには至っていません。諸説ありますが、理由の一つに病院の設備やお医者さんではなく、自宅や会社からの距離で選ぶ人が多いというのがあります。

しかし、在宅医療は患者さんからみると診療所までの距離はさほど重要ではなく、丁寧な説明、気遣いなどお医者さんのコミュニケーション能力、医療機器取扱いスキルなどで選ぶようになり、ネットの評判口コミも重要な要素になるのではないかと考えられます。

もっとも、医療業界に強いエムスリーや同じく介護業界に強く「ケアマネドットコム」や「ケアとも」を運営するエス・エム・エスより、リアル集客に力を入れているネットの王者ヤフーやグーグルなどウェブ専業会社が在宅医療分野では大きな存在になることも考えられます。

高齢者だけでなく一般患者も恩恵が多い

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当面は主に身体を動かしにくい患者さんや、病院の待合室で長時間待てない認知症の患者さんが在宅医療になると思われますが、大病院などの診察と会計までの待ち時間を考えると、一般患者の場合でもメリットはあり、徐々に広がっていくのではないかと思われます。

平成25年6月の厚生労働省調査によりますと、病院数が減っている中、無床の診療所だけは増えている状況です。これは、「医療機関は診療報酬の大幅な増額は望むことができず、医師不足も相まって病院経営は非常に厳しい環境に置かれている」(厚生労働省、報告書)から、主に小規模の民間病院(医療法人・個人立の病院)が減少しているのが大きな理由と考えられています。そんな中、新しい開業医のスタイルで、訪問専門の診療所ドクターが増えることはお医者さん、患者さんの双方にとり良いことでしょう。

ICTを駆使し在宅医療先進国へ

近い将来、診療所もなくネットSEO(検索エンジン最適化)やfacebookページなどのSNSで患者さんを集め、スマホに接続した医療診断機器で診断データをクラウドに送り、症状から適切なアドバイスを受信し、お医者さんが患者さんにやさしく説明をする。そんなICT(情報通信技術)ドクターが出現するのではないでしょうか。

引用
超高齢化社会の在宅医療、ケアマネ8割が「不安」。国内最大級の情報サイト「いしくる」公開