カカクコムが在宅介護を中心とした介護情報サービス「たすケア」開始
「価格.com」や「食べログ」を運営している株式会社カカクコムは、在宅介護の情報を中心とした地域ケア情報サイト「たすケア」を開始すると発表しました。
「たすケア」は今のところ介護保険適用のサービス検索が中心ですが、今後は医療や介護保険適用外サービスや助成情報も10月~11月中に随時追加していくとのことです。また10月19日現在では検索できるエリアも東京都世田谷区だけですが、今後拡大していく予定とのことです。
カカクコムの参入で共通フォーマット検索が実現なるか
厚生労働省は在宅介護を前提とした介護と医療の連携いわゆる地域包括ケアシステムを推進しています。
厚生労働省においては、2025年(平成37年)を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進しています。(厚生労働省 地域包括ケアシステムの実現へ向けて より)
ただし、サービスを受ける側から見ると、どのようなサービスが自分の住んでいる場所にあるのか、サービスの比較を含めて調べる手段が整備されているとは言えません。まさに「介護は急にやってくる」と言われる所以でもありますが、ネットに情報が少ないのと共通フォーマットで整理されていないため、どんなにITリテラシーが高い人でもいざ親の介護問題か発生すると情報収集に困ってしまいます。
カカクコムが長年培ってきた共通フォーマットで比較検索できるというサービスは今後の介護業界では重宝されるのではないかと思います。
老舗のエス・エム・エス、新規参入してきたエムスリー
介護業界の情報発信サイトとしてはケアマネージャーの約八割が登録利用していると言われている「ケアマネドットコム」や介護職員向け求人情報サービス「カイゴジョブ」、情報コミュニティサイト「ケアとも」を運営している株式会社エス・エム・エスが老舗になります。
一方、医師向けの情報支援サイトを運営しているエムスリーは今年8月に「いしくる」という在宅医療の検索サービスを開始しました。
この2社は、介護業界向け人材サービスなどでは協業していますので、強大な集客力を持つカカクコムが参入したことにより、訪問診療の検索サービスはエムスリー、介護保険や介護保険適用外サービスの検索はエス・エム・エスが運営していくというような住み分けも今後あるのではないかと思います。
もっとも今後は、地域包括ケアシステムの名の下、各種ITサービスが参入してくると思われます。価格.comの本格的なサービス開始は2000年。15年の蓄積がどのように介護業界を変えていくのか楽しみです。