日本郵政が高齢者見守りサービスを拡充、遠隔と対面の両立へ
日本郵政グループ4社は4月30日、米AppleおよびIBMと高齢者の見守りサービスで業務提携することを発表しました。国内の高齢者を対象にしたサービス提供に向けてiPad活用などの実証実験を2015年下期にも実施予定です。
今回の提携では、Appleはタブレット端末iPadを提供し、IBMは高齢者でも操作が簡単なiPad向けのソフトウェアを開発します。
郵便局のみまもりサービスを拡充
日本郵政グループでは、平成25年10月1日から一部の地域にて、高齢者宅への郵便物の配達時に生活の様子を確認するサービスを、月額1,000円で提供しています。
今回の業務提携では、こういった対面でのサービスに加えて、タブレット端末による各種ネットサービスの提供や郵便局社員等によるリアルな生活サポートサービスの支援を行います。
今後予定されている実証実験は、次のようなサービスを地域特性に応じて順次提供していく予定です。
・ICTの利活用を併用した「みまもりサービス」
・親世代向け・子世代向けの「コミュニケーションサービス」
・自宅での申込みによる「買い物支援サービス」
・自治体と連携した「地域情報サービス」
・各種相談サービス
役者は揃った、サービスの内容や質の充実へ
高齢者見守りサービスは、今年に入ってからも各企業が相次いで参入・実証実験を発表しており、その内容は人型ロボットを利用したサービスや感知センサーを利用したサービスなど様々なものがあります。
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電源不要、LINEで安否受取、月額3,000円の高齢者みまもりサービスが6月に販売
電力小売、HEMS、高齢者の見守りサービス 地方自治体が挑戦
電力事業者、通信事業者、郵便事業者、不動産事業者など様々な業界から参入が始まり、役者は出揃いました。
今回の日本郵政のサービスは、遠隔での見守りサービスだけでなく対面での見守りや買い物支援と合わせて提供することで、高齢者とのコミュニケーションに重点を置いているように見て取れます。
各社がニーズ不在になることがなく本当に必要とされるサービスを提供することで、見守りサービスの内容や質もますます充実するのではないでしょうか。