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グループホームきぼうは鹿児島県の種子島にある認知症高齢者グループホームです。

現在、認知症高齢者グループホームは、施設の定員が1ユニット5名から9名と国の基準で定められていて、最大2ユニット18名までの運営が認められています。グループホームきぼうは、現在1ユニット9名の利用者を9名の介護要員がお世話しています。

現場を6年。そして施設長としての6年目。

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施設の開所は平成21年9月1日で今年で6年目を迎えます。

施設長の広浜浩明(ひろはま ひろあき)は現在53歳で、高校時代には種子島高等学校の野球部キャプテンでした。2年生からキャッチャーのポジションで活躍し、3年の時にはキャプテンとしてチームを率い、県大会ではV8の成績を残しました。

「いいメンバーに恵まれました。練習は毎日きつかったけど、今でも当時のメンバーは先輩後輩関係なくよく集まります」

高校卒業後は、名古屋の焼却炉メーカーで営業を担当していたが、実家の都合もあり長男ということで種子島に戻り、地元の特別養護老人ホームに就職した。その後、介護施設での独立を決意し、6年間務めていた特別養護老人ホームを円満退所したあと、2年間の準備期間を経て現在のグループホーム開所に至りました。

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グループホームきぼうの施設は空いた両隣の民家を2軒確保して、結合改装しました。個室は8.0㎡と広く明るい日差しが入るきれいな施設です。

6年間一人も職員の退職者がないのが嬉しい。

いま介護の現場ではどこの施設も人材の確保に頭を悩ませています。人手が足りないのもありますが、離職率も決して低くなく、常にベテラン職員を確保し続けるのはどこの施設でも難しい状況です。

グループホームきぼうは開所以来、誰も退職していません。 一番の理由は何だと思いますか?と尋ねると、職員の福利厚生や週休2日の体制もきっちり守らせているからですかねとの事でしたが、それ以外にも広浜浩明の施設長として、キャプテンとしてのチームを率いてきた経験があるのは容易に想像がつきます。

取材でお伺いさせて頂いた時も、さりげない気遣いを感じたものです。

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野球はシステム。スター選手や個人プレーだけでは試合できない。

広浜浩明は、「野球ってサッカーと違いシステムなんです、一人の天才プレーヤーだけ目立っても試合には勝てない。野球は9人でやるものなんです」と述べ、試合に勝つためにはチームワークの重要性を熱く語ります。

「俺は足は速かったが、バッティングが苦手でした。誰でも長所短所があると思うんです。そこをみんなで助け合うのがチームです。みんなで良い試合が出来るようにする、こう言っちゃかっこつけた言い方だけど、それが俺の仕事だと思う」

現在グループホームきぼうは、満室で、種子島以外からも入居したいと待機者がいる状況であり、機会があればもう1ユニット(9名)の追加増床も考えたいと夢を語った。

特別養護老人ホームに6年、認知症高齢者グループホームで独立して6年と、広浜浩明は種子島でも数少ない介護の現場を長年経験したベテラン施設長でもある。

そして、ベテランキャプテン広浜浩明の試合は今でも続いている。

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グループホームきぼう 住所:鹿児島県熊毛郡南種子町中之下1836-41 施設長:広浜浩明

野球部で友人の高石忠幸さん