「来週コンサートだね。楽しみー!」 そんな感じでコンサートの楽しみは、チケットを入手した時から始まります。予約してコンサート当日を指折り数えて待ちわびる日々、コンサートに一度でも足を運んだことのある人なら誰にでも経験があるワクワク感がそこにはあります。また仕事をしている時や普段の生活の中でも、コンサートに行くことを考えるだけで幸せになります。それは音楽の持つ魅力の一つでもあります。

そんなコンサートの格安チケットを購入できるサービスが英国ロンドンから上陸しました。世界60カ国以上でコンサートチケットの販売を手掛けるviagogo社で、世界60カ国以上で利用されているチケット販売サービスは日本語化されていて国内で急成長をしています。

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音楽業界は大変革の真っ最中

日本では、AKB48などを筆頭に相変わらず音楽CDが売れ続けていますが、これは世界的に見ても特異なケースで、世界では定額制音楽配信の流れが加速し業界の変革が進んでいます。Apple Music、LINE MUSIC、まだ日本ではサービスを提供していないSpotifyなど数多くのプレイヤーがひしめいています。そしてもう一つの大きな変革が、コンサートやイベントなどライブ活動の盛り上がりや、関連したTシャツやグッズなど物販による音楽業界の収益源拡大です。

そんなライブ活動の盛り上がりですが、急な予定などで行けなくなった場合など、市場にあるコンサート等の余剰チケット問題があります。そこを解決すべくviagogo社はチケットが欲しい人と売りたい人とをつなげる仕組みを世界中で提供しています。例えば東京の大相撲、米国西海岸のテイラー・スウィフト、パリのM83など世界中のチケットがどこに居ても購入できます。

そんなviagogo社の新しいオフィスにおじゃまして皆さんのお仕事についてお話を聞いてきました。

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林亮(はやし りょう)はviagogo社、日本での事業責任者です。現広島県知事の湯崎英彦(ゆざき ひでひこ)氏が創業した通信会社アッカ・ネットワークス(現在はソフトバンクモバイルに合併)に勤務した後、無線LANサービスのスタートアップ立ち上げに参画しました。横浜中華街、大手町周辺など商業地での無線LAN普及に汗をかきながら事業を成長させ、会社を大手通信会社に売却といった流れを経験し退職、その後いくつかのスタートアップを手伝っている時、知人に紹介を受けこの職に着きました。幼少の頃から極真空手を愛する武闘派ながら、そんな感じを全くさせず、人の気持ちを常に気遣いながら、いつも「お疲れ様です」と温かいおしぼりを出すような感じの方です。

市場の余剰チケットを無くしアーティストを応援したい

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宮田祥太郎(みやた しょうたろう)は、そんな林をビジネス面でサポートする事業開発担当で、全国に何千とあるチケット調達代理店の新規開拓、営業、契約などの事務をすべて一人でこなします。昼はジムで汗を流してから食事をするという身体を動かすことが大好きなスポーツマンで、将来は起業家を目指すチームのムードメーカーです。

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望月蘭(もちづき らん)は、チケットマーケティングデータアナリストというあまり耳慣れない職種ですが、データ分析の専門家です。彼女はviagogo社の世界共通システムと日本のチケット情報を集めたローカルシステムを駆使しながら需要と供給をよみ最適なチケット値付け管理をします。愛用のスタンディングデスクに向かい仕事しながら、日々のストレスを心地よい音楽で流します。

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狩浦聖徳(かりうら きよのり)は、日本支社のグロースマネージャーです。グロースマネージャーとは、チケット購入数や売上などをグロース(成長)させる為の行動プランをつくり実行するのが仕事です。日本企業だとウェブ営業部長的ポジションですが、viagogo社では時にはサポートからの上がってくるお客様の声を聞きながら、売上シミュレーションもするといった幅広い知識と経験が必要なポジションで、グロースマネージャーはどこでも引く手数多のポジションでもあります。

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若い人がいないから音楽を聞く人がいなくなる?ありえません

「同業のチケット会社は、2020年の東京オリンピックがチャンスのピークだと思っていますが僕らは違います。世界でも類を見ないスピードで高齢化社会を迎える日本で、2020年以降の先を見ながら事業を考えています。音楽に慣れ親しんだ世代が、高齢者になって音楽の興味を失うとは限らないですよね。僕だって90歳になっても、いや死ぬまでテイラー・スウィフト聞いていると思います。大好きですから」と林は言います。ではシニア層にもっとコンサートなどライブ活動に参加してもらうにはどのようなことを考えていますかというという問いには

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「シニアの方々に手軽にチケットを購入してもらえるような使い勝手の向上です。例えば今年10月から日本郵便、Apple、日本IBMが高齢者向けのタブレットサービスを拡充すると発表しました。ドコモもシニア向けタブレットサービスに注力しています。言うのは簡単ですがタブレットから探しやすい、購入しやすいような仕組みなどがもっと必要と考えています。あと近い将来クラウドファンディングのように事前にお客様を集めて、引退したアーティストのコンサートを開いてもらう。そんな新しい音楽世界もつくりたいと思っています」

最後に、林にこの事業を通じて社会に貢献できることはなんですかと質問をしたところ、 「税金を収めることですかね(笑)、それは冗談として80歳以上でも音楽を聞き続けたり、自ら好きな楽曲を奏でる事といったような事が認知症緩和につながるという話や予防トレーニングなどがあります。僕らはまだチケットを販売しているだけですが、インディーズも含めたアーティストの活動を支えながら、もっとシニアな方々がコンサートに来てもらえるような仕組みを作ります。そしてコンサート当日までのワクワクする気持ちを持ち続けてもらいたいと思います。そのワクワクする気持ちって若い時でもシニアな時でも同じなのかなって思います」

ネットチケット販売会社としては後発ながら、世界60カ国で鍛えられた共通プラットフォームを活用して日本で拡大するviagogo社。好きなアーティストのチケットは一枚でもファンに届けたいという気持ちが同社が日本で成長している源泉になっているのは間違いないと思います。

「好きな事を仕事にしたい」誰しも思いながら中々実現出来ない気持ちですが、そんな羨ましい事を実現しているチームの方々でした。


viagogo社 http://www.viagogo.jp/