奈良市は、9月1日より認知症が原因で行方不明になる高齢者を対象とした見守りネットワークを開始すると発表しました。

奈良市の見守りネットワークに参加した希望者には、大手警備会社セコムが提供するココセコム費用を一部負担したり 東大阪市などで既に実施済みですが、衣服、靴などに着けられる緊急連絡先の情報が埋め込まれたQRコードシールを配布します。

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奈良市民なら、ネットでココセコムを申し込むよりオトク

ココセコムは通常申し込んだ場合、初期費用が6,500円、月額費用が900円ですが、 奈良市向けココセコムの場合は初期費用なし、月額費用が500円とオトクになっています。

ただ、サービス内容が若干違いまして、月額費用内で行方不明者の位置情報を調べられる回数が ココセコムが10回に対して、奈良市向けココセコムは2回までです。 どちらも3回目以降は一回につき100円別途追加費用がかかります。

実際のところ、月に10回と言えば3日に一度の頻度ですので、利用頻度にもよると思いますが現状ココセコムより奈良市提供サービスのほうがお得な感じがします。

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IT事業者の参入による競争を期待

奈良市以外にも、同様な取り組みをすすめている市区町村はいくつもありますが、市町村によっては財源の問題もありますので、このような行政負担のサービスがこれからも継続拡大できるのかは疑問です。実際のところ奈良市は人口36万人ですが、人口50万人の東大阪市で同じような取り組みをしようとするならば行政の負担増は避けられません。

ITを活用した簡易安価な介護系サービスは徐々に増えてはいますが、反面、行政主導で助成して普及させようとすると競争を阻害するのではないかとも言えます。 介護は言わずもがな巨大な公共事業ですが国内の財源問題もあり、さらに困っている人たちが多い市場なのであれば民間企業の競争により、さらに良いサービスが生まれるとも考えられます。

その為にも、ITを活用した介護系サービスをもっと知ってもらいたいでね。ハイ、大丈夫です! ケアタイムズ新聞も頑張りますので、ユニークな取り組みや、ITを活用した介護系サービス製品などありましたら、積極的にご連絡くださると幸いです。

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引用

奈良市報道発表

ココセコム

朝日新聞 認知症の人見守り支援 奈良市、来月から(ログイン必要)

靴やシャツに連絡先のQRコードシールを熱圧着、東大阪市の認知症高齢者見守りネットワーク