世界最大のクラウドファンディングサービスであるkickstarter(キックスターター)でLumma(ルマー)という服薬支援ロボットが登場しました。出荷時期は2016年3月とのことです。

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国内勢の製品に比べて価格は3分の1以下

服薬支援ロボットとは、服薬時間が来たら音声で連絡したり、服薬ボックスのボタンを押すことにより、飲むべき薬が出てくるなど主に薬の飲み忘れや飲み間違いを防止するのが目的の機器です。

国内では、介護大手のセントケアホールディングと、大手車載音響機器メーカーのクラリオンとの合弁会社であるケアボットの製品や、群馬大学と岩手県花巻市の石神製作所の産学連携プロジェクトで産まれた製品が発売されています。

Lumma(ルマー)は薬の搭載量により2種類ありまして、モデル6が6種類の薬を、モデル12が同じく12種類の薬を最大3ヶ月分管理出来ます。価格はモデル6が169ドル(1ドル125円とすると約21,800円)、モデル12が279ドル(同じく日本円で約34,800円)ということなので、機能面で一概に比較はできませんがケアボットの定価120,000円、石神製作所の定価180,000円と比較すると安価です。なお、この価格はクラウドファンディングの台数限定の早期支援者向けでして、通常の支援者には両モデルともにプラス30ドルで発売されます。

今回、資金調達する金額は10万ドル(日本円で1,250万円)と高額のためか、8月17日現在19人の方から3,925ドルとまだ約49万円しか集まっていません。9月19日が募集締切ですので残り32日となっています。10万ドル調達された場合のみ製品化され、出荷時期は2016年3月です。

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課題は国内の技術適合認定と製品の日本語化

日本からはkickstarter(キックスターター)で応募して購入することは可能ですが、スマートフォン用アプリや操作パネルの日本語化対応やBluetoothの技術基準適合認定などの遵法課題もありますので、実際は国内の代理店などが正式に取り扱わないと利用は難しいと思われます。総務省 電波のルール

前回に続き、クラウドファンディングによる介護製品の紹介になりましたが、今までは電話などで連絡や確認するしかなかった服薬関係のような問題こそIT系の介護ツールが増えてほしいですね。


引用

米国 キックスターター Lumma: Automated Medication Sorter & Dispenser

薬の飲み忘れを防ぐスマートデバイス「Lumma」–高齢者の見守りにも

ケアボット株式会社

石神製作所

ケアボットの服薬支援ロボット、個人向けの販売を開始

服薬支援ロボが来月発売。薬局は地域医療のハブとなるか

高齢者宅に年475億円分の「残薬」か、服薬管理の徹底が急がれる